2009/07/21

ニューヨークのペット

「ボクを救ってください」(エリザベス・ヘス著)を読んでいる。
ニューヨーク近郊の動物保護センター「コロンビアグリーン愛護協会」に救助された動物たちと、保護活動をしている人々のルポである。

30代後半からおよそ15年間犬を飼い、2003年看取り、2005年から猫と暮らし始めた私。犬も猫も娘が生まれたばかりのを拾ってきたのだが、飼い始めると可愛い。特に家で猫をかいはじめてからは、町の野良猫をみると、なんとも辛い気持ちになって…でもだから拾ってきて、去勢して、注射して、家で飼うところまで世話する時間も余裕もないから悶々としている。

このニューヨーク州ハドソンにある保護センターは動物を保護すると、まず新しい名前をつけるそうである。あの犬とか猫ではなくグレースとかバンディットとか。最大収容数は150匹。ほとんどは虐待や飼い主に捨てられてガリガリ状態で保護される。どうしても生きていくのはむずかしい大怪我や、病気、衰弱の場合は安楽死させ、すこしでも生きられるものは里親を探して送り出す。その里親選びも慎重で、育てる環境があるか自宅まで調べにいく。こうして、動物たちは第二、第三の生を与えられ、一生を全うするわけだ。

とても明るく、ユーモアをまじえて書かれてあるが涙なくては読めない部分もある。ペットショップの動物たちの末路は。日本もボランティアで頑張っている方々がいるが、なんとか、自治体単位でこういう施設が出来ないかと思う。動物を愛せない国が人間に優しい国づくりができるのだろうか…などさまざまなことを考えてしまう。

2009/07/13

東四丁目

ブックオフで見つけた本。「東四丁目」(ジェローム・ワイドマン著)。
1920年代のニューヨークを舞台に健気に、たくましく生きる少年と家族の物語、と帯にある。
主人公の少年はロウアーマンハッタンの東四丁目、アベニューA,B,C,Dエリアで暮らす。
少年は、1800年代に祖父がオーストリアまたはポーランドから移民したユダヤ人。気丈な母のもと貧しくも信仰深く愛情豊かに育つ。いつか成功して両親に楽をさせたいと勉強し、ボーイスカウトに励み、お小遣い稼ぎにアルバイトもしている少年だ。その生活の中で出会った人々や、出来事を短編でつづり、一冊の本としている。

11年前の今頃、東3丁目の大学寮で2ヶ月滞在した時、ブラブラ歩いた町を思いながら読んでいった。
アベニューAにあるアパートで課題の映画の撮影をしたことがあった。鉄のハシゴのついたアパートで、すごくニューヨークらしい情緒があったが、炊事道具や食べ物が置いてないので住んでいた人に聞いたら、ネズミさんが出るからとのこと。 うーーん、それはまずい。情緒のある部屋でもネズミさんとは会いたくない。幸い撮影中はあわなかった。

撮影中はアベニューAを往復してアパートと大学寮を通った。旅行本などに書かれてある「危ない」エリアというのは少し言いすぎのようだ。ただ、真夜中は知らない。運が良かっただけかもしれないが、夜の10時ごろも歩いたが、明るく人通りもあり、普通の通りのように思えた。

本は、どの話もいいというか、心に響くものであったが、中でもボーイスカウトの話や、大恐慌のときの会計事務所でのアルバイトの話はとても印象が深かった。ジェローム・ワイドマンはミュージカル「フィオレロ」でピュリッツアー賞を受賞したそうである。どんなミュージカルか調べてみたくなった。
この本は常盤新平氏訳とあるが、氏が行っている翻訳の勉強会のみんなで訳し、氏が仕上げたとある。こういう本が読めるのもニューヨークを愛してやまない氏のおかげであると思った。
                                                                             

2009/07/03

NYの刑事ドラマっていいですね

テレビは大好きで1日中つけている。
地上波で観るのはニュース。
それ以外はWOWOW、FOXTV、SUPER DRAMA TV、ムービープラスの米英ドラマと日本映画専門チャンネルの邦画。

ニューヨークが舞台のテレビドラマはたくさんあるが、今、気にいってるのはLAW AND ORDERCSI NY。(CSIはシーズンの合間で今は休み中)この二つはNYの犯罪を解決する人たちの話。ただ、CSIは最先端の科学捜査、L&Oは平塚八兵衛のような感と足で犯人の自白を引き出す心理捜査が中心。両方とも良さがあるんだなあ、これが。とにかく刑事物が好きなのだ。どうしてなのかなあ、と思う。多分、刑事が渋くてセクシー(ここがポイント)。恋愛はするようだが、ストイックな恋愛(どういう恋愛じゃ?)、これがマイアミバイスなどと違うところ。刑事のセックスライフがあけすけに出てくると興覚めする。たとえば邦画の新宿鮫シリーズ。面白くて観てしまうのですが真田さんがすぐ手じかな女性と…ってところがどうも。犯罪現場でも必ず後ろの方に、その場所を知らせるランドマークをいれているのもにくい。あ、ブルックリンの橋を渡り、倉庫街をイーストリバー沿いに行ったところだ、とか、このアパートはコロンビア大の正門をハドソン川方向に下りた川沿いの高層アパートだとか…、へー、グリニッジビレッジのこの路地も撮影で使えるんだとか…。いつだったか、CSIマイアミのホレイショ役のデビッドカルーソーが主演していた「NYPDブルー」をCSで一挙放送(24時間ちかく)していた時は、寝ずに観ていて目がまわった。

ちなみに刑事物映画「LAコンフィデンシャル」(原作ジェイムスエルロイ)は私の大好きな映画の1本。舞台はLAですが、刑事たちのステキなこと!めがねの二代目エリートのし上がり警官、ガイピアースが次第に本物の裏も表も知った警官に成長していくところや、テレビにゲスト出演したりして人気刑事ケビンスペイシーが無念にも消されたり、熱血ラッセルクロウが最後には…。男の中に咲いた1本のバラのように美しいキムベイシンガー。なぜかあの映画をみると胸がどきどきどきどき、若返ります。NYが好きなのか、ただ刑事さんが好きなのかわからなくなってしまったわ。

どちらにしても、ニューヨークってどこを写しても絵になる。この思いって欧米のオリエント好きの人が、香港や東京歌舞伎町、大阪十三などのきらきら漢字ネオンをみてファンタスティックと思う気持ちと同じなのかしら。よくわかりませんが。

2009/07/01

6ケ月ぶり…演劇、音楽など

2009年、正月以来です。
自作の映画上映で全国を回っていました。劇場公開が一段落したので戻ってきました。

というか、数日前、「トニー賞」をテレビでみていましたら、会場がラジオシティホール。ブロードウェーの劇場街や、新装になったチケッツなどが写っていて、ついつい引き込まれました。

なんとまあ、チケッツの赤い階段の派手なこと。私が時々、いってたころは工事中でした。
「ビリーエリオット」や「ウエストサイドストーリー」など面白そうなミュージカルがたくさん。
NHKのニュースから消えて、どこいったんだあ、と思っていた有働さんが、いきいきとレポートしてましたね。英語が達者になったこと!努力家なんですね、彼女は。

東京にいてトニー賞をみると、ああ、日本人はいくら頑張っても発声、声量、運動神経、スタイルとどれをとってもかなわないいい、だから真似するよりは、日本古来の伝統的な歌舞伎や日本舞踊などで勝負した方がいいのでないか、と思ってしまう。
それと、小さいこと、細かいこと、精密なことを本当にこつこつと研究する能力はすばらしいので、研究や物づくりにもっと力を入れるべきですね。ものづくりといっても箱物はだめです。

マイケルジャクソンが亡くなられました。亡くなった日から、マスコミの報道の流れがプレスリーの時とそっくりですね。生前、化け物(プレスリーの場合はデブ)とオモチャにしていたのに、なくなったとたん偉大なアーチスト、悲しみ⇒次に本当の死因はなんだったのか、クスリか殺人か、はたまた医者の陰謀か(←いまこのへん)マイケルは肌を白くするクスリ、やせすぎ?プレスリーは肥満を止めるクスリ、ダイエットの失敗⇒遺産はどうなる、誰が得した、もうけたか⇒葬儀報道では最大の賛辞を送り⇒静まって数年後にはマイケルは生きている、歩いていたとか…。

面白おかしく思うのはいいのですが、プレスリーもマイケルも真実は唯一つ、大衆の心をとらえたこと!存在が愛そのものでしょ。素晴らしい歌声、パフォーマンスは永遠です。安らかに。

マイケルとエルビス、あともうひとりフレディマーキュリーの後を継ぐのは…この人しかいない!アメリカンアイドルシーズン8の準優勝、アダム・ランバート君です。この恐るべき歌手はフレディとマイケルの声をもち、エルビスの容姿とサービス精神。3人を足して一人にしたような奴です。彼は性的趣向もはっきりしていて、ゲイでパートナーも堂々と応援してましたね。はじけてます。度がすぎると、ロッキーホラーショーのようにおどろおどろしくなりますが、バラードからロックまで何でもユニーク。かといって芸術家っぽくないく大衆的なのが素晴らしい。
最終日になんとクィーンの演奏で「ウイアーザチャンピオン」うたいましたが、鳥肌が立つほど感動しちゃいました。フレディの歌をアダムにうたってもらってCDを!とクィーンが言ったとか言わないとか。私は、ぜひエルビスの歌を、衣装、身振りもエルビス調にして、パフォーマンスしていただきたいと願います。